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【ランロイSS】寝不足の訳は

そういやブログカテゴリに作品系のがなかったのでカテゴリー追加しました。
以前投下したヤツもこのカテゴリに変更してます。
まぁ、あんましブログに作品投下することはないと思いますが…

何番煎じだよ、な気がしますが……支援課ビルでヤってたら、ティオやツァイトには筒抜けだよな的なアレです。
R指定ではありませんが、前提がRなのでご注意下さい。


(ぴくしぶに上げてるのと同じです。)


 

 始まりは、一人と一匹の欠伸だった。

「ふわ、ふ……」
「……ほわ~~……」
「あら、ティオちゃんもツァイトもどうしたの? 昨夜眠れなかったの?」
 エリィは朝食のサンドウィッチを作るべくキッチンに入っている。まだ作り始めたばかりで、トントンと包丁の音が聞こえてくる。
 ツァイトはいつも朝になる頃には応接セット付近で丸くなってご飯を待っているが、朝食当番でないティオがこんなに早く起きていることは珍しかった。
「ちょっと……色々とありまして」
「……ウォン」
 ティオは椅子に座ったままウトウトとしている。ツァイトは朝食ができるまで一寝入りすることに決めたらしく、一声上げるとそのまま目を伏せた。
「ティオちゃん、眠いんなら部屋に戻った方がいいんじゃない? あと30分くらいはかかるわよ」
「うう……でももう服着てしまいましたし……」
「じゃあ、そっちのソファは? 硬い椅子よりはゆっくりできるんじゃないかしら」
「……で、では、ちょっと、ソファで……」
 ティオはゆらりと立ち上がってフラフラと歩いていく。薄目を開けて見守るツァイトの横を通り過ぎ、応接セットのソファに沈み込んだ。

(続きは↓の「続きはこちら」から)

拍手[5回]


「おはよう!」
「ふぃ~……おはようさん~」
 トントンと足音を響かせて、男たちが降りてくる。エリィはサンドウィッチの皿をテーブルに置いて振り返った。
「おはよう、ロイド、ランディ。貴方達もちょっと早いのね」
 人が増え、会話の音が耳障りだったのだろうか。床にいたツァイトが耳をぴくぴくと動かし、ソファからは半眼のティオがのそりと起き上がった。
「ティオ? そんなところにいたのか」
「ずいぶん早く起きてきたから、ソファで休めばって言ったのよ」
 それを聞きながらロイドは眠そうに目を擦っているティオに近付いていく。ソファのすぐそばまで来ると、少し腰をかがめて目線を合わせる。
 過酷な運命の中で冷めきったように見えて、それでも僅かに幼さを残すその瞳が気怠げに見返してきたのを確認して、ロイドは「おはよう」と微笑んだ。
「おはよう、ございます」
 だがティオの表情は硬く、むしろ睨みつけるような不機嫌さだった。――思わずロイドがたじろぐほどに。
「え、えっと……俺、何か、したかな……?」
「どうした、どうした~? ティオすけはおねむでご機嫌ナナメか~……って!?」
 継いで近付いてきたランディが、屈んでいるロイド越しにティオの頭を撫でようとしたが、猫パンチの如く弾かれて悲鳴を上げた。
「なん、どぅわぁっ!!」
「わわっ、ちょっと!? ランディ重い!!」
 不平を言おうとしたランディの膝裏にツァイトの太い尻尾が直撃し、見事に『膝かっくん』を喰らったランディは前にいたロイドに覆い被さるように崩れ落ちた。
 その横を立ち上がったティオが通り過ぎていく。
「……不潔です」
 ――いつも以上のジト眼で、いつも以上に冷たい声音で捨て台詞を残しながら。
「えっと、ティオ? 何か怒っているみたいだけど……その、俺やランディが何かしたのなら、謝るから……何故怒ってるのか教えてくれないか?」
「そうだぜ、ティオすけー。意味もわからず攻撃されるばっかじゃどうしていいかわかんねぇよ」
 二人がようやく体勢を立て直した頃には、ティオもツァイトも――エリィさえも、ダイニングテーブルに着いていた。あとはキーアと課長を待つばかりである。
 追いすがる二人にさらに冷たい視線を投げかけながら、ティオは大きく嘆息した。
「……そんなに、聞きたいですか」
「あぁ」
「そんなに、言わせたいんですか」
「お、おぅ……」
 ロイドとランディの顔を交互に見ながら何度も念を押すティオに気圧されつつも、二人は揃って首を縦に振った。
「そうですか……そんなに……聞かせたいんですか……」
 ティオは諦めたように天井を見つめて息を吐いた。何やら話が噛み合ってない気がして、ロイドとランディは顔を見合わせて不思議そうにしている。
「ティオ?」
「ランディさんの……いえ、ランディさんとロイドさんの……夜のいやらしい行為の音と声がうるさすぎるんです!!!」
 ダンッとテーブルを叩く音と共に吐き捨てるように告げられた言葉は、ロイドとランディを硬直させるのに十分すぎる威力を持っていた。
 エリィはちょうど紅茶を口に含んだ瞬間だったらしく、口を手で塞いで震えている。そしてツァイトは同意だと言わんばかりに鼻を鳴らした。
「き、聞こ……えて…………っ!?」
 ロイドは顔どころか全身を真っ赤に染めてわなわなと震え、左に座るランディに助けを求めるように震えるその手を伸ばした。
「あーーー……一応抑えてるつもりだったんだが……やっぱダメだったか」
「ふふふ……」
 ロイドの左手をそっと握り返しながら複雑そうな顔で嘲笑するランディに、ティオは不気味なほど低い笑い声を返す。
「 全 部 聞 こ え て ま す !」
「「申し訳ございませんでした……」」
 反射的に謝りながら、絶対零度の微笑とはこういうものなのか、と男二人は思った。
「グルルルル……ウォン」
「ツァイトもやっぱり、その……そういうことに不満を言っているのかしら?」
「いえ、ツァイトは……」
 エリィの疑問に答えようとして、ティオは一度言葉を切った。意を決して大きく息を吸い込み、さらに続ける。
「ランディさんが、下手だ、と」
「あ、んだとぉっ!?」
 ガタッと椅子を鳴らして立ち上がったランディが、繋いでいたロイドの手も振り切ってツァイトに掴みかかった。
「どういうことだワン公! お姉様方を快楽の海に沈めてきたこの俺の超絶テクニックのどこが下手だっつーんだよ!?」
「ウォン! ウォンウォン! グルルル……」
「『痛がらせたり苦しませるのは交尾ではなく強姦だろう。あと、ワン公ではなく狼だ』、だそうです」
「な、な、な……っ!」
 掴みかかった眼前で馬鹿にしたように鼻を鳴らされ、ランディは言葉を失ってわなないている。
 『超絶テクニック』のくだりには突っ込まないのかとエリィは思ったが、特に言う必要もないかと結論づけて口を噤んだ。ロイドはまだショックから抜け出せずにいるようだ。
「…………おい、お前ら、朝から何つー話題で盛り上がってやがる」
 静寂を打ち破ったのは上司の一言だった。全員一斉に振り返ると、そこにはセルゲイと、セルゲイに耳を塞がれたまま不思議そうにしているキーアの姿があった。
「課長……き、キーア……!!」
「……? ロイドー、おはよー。ねぇねぇ、課長がお耳放してくれないの、何でかな?」
「ったくよ……降りていこうとしたら変な雰囲気だったから、思わずキーア引き留めて耳塞いだだろうが……その話はもう終わりにしとけ。続きはガキのいないところでしろ」
「ひっ、あう……ありがとう、ございます……っ」
 ロイドにとっては、ティオもまだそういう性交などについては早いのではないかと思っているくらいだ。ティオに最中の声を聞かれただけでも顔から火が出そうなのに、さらに幼い娘にこんな話題を聞かれたならどれほどショックか計り知れない。
 ロイドは赤くなったり青くなったりしながら、ヨロヨロとキーアに近付いた。セルゲイの大きな手がキーアから離れるのを見て、精一杯の笑顔を作る。
「おはよう、キーア。何でもないよ、さぁ、朝ご飯にしよう?」
「うんっ!!」
 眩しい笑顔に眼を細めながら、ロイドは愛娘に手を差し伸べた。だが、キーアがその手を掴むよりも早く、横から割り込んだティオがキーアの手を引いていた。
「ほえ、ティオー?」
「キーアの席はこちらですよ。さぁ、座りましょう」
 にっこりと微笑むティオに誰も異論を挟む余地はなく、気まずい雰囲気のまま本日の特務支援課は始動することになった。



 キーアがいない間にさらに話し合った結果、ロイドとランディは『女性陣がいる夜に支援課ビルでの性行為を禁ず』という重い制約を科されることになった。
 そして一週間後――制約に従い、二人は歓楽街のホテルへと身を寄せていた。
「……こういうホテルも結構綺麗なんだな」
 脱いだジャケットをハンガーにかけながら、ロイドは背後のランディに話しかけた。
「これからはホテル使う機会も増えそうだし……色々教えてくれよな、ランディ。…………ランディ?」
 どうも会話のキャッチボールが返ってこないことを不審に思って振り返ると、ランディはベッドの縁に座ってじっとロイドを見つめていた。
「神妙な顔をして、どうしたんだ? 具合悪いなら、その、別に今日でなくても……」
 たまたま仕事が早く終わり、明日も少しはゆっくりできそうだと踏んでの逢瀬だった。だが、体調が悪いなら行為どころではない。
「ラン……っと、う……」
 様子を見ようと伸ばしたロイドの手を絡め取り、強く引く。バランスを崩したロイドが、ランディの腕の中にすっぽりと収まった。
「なぁ、ロイド……」
「ど、どうしたんだ、ランディ?」
 いつもはおちゃらけてみせるランディが、真剣な眼で見つめてくる。それだけで、ロイドの心拍数を上げるには十分だった。
 だがランディは呼びかけただけでそれ以上言葉が続かず、ただじっと見つめ合う時間が続いた。
「……なぁ、俺って、そんなに……下手、か……?」
「……はい?」
 思い詰めたような眼で、眉尻を下げながら告げられた言葉にロイドは一瞬反応できなかった。
「痛くしたいんじゃねぇんだ……無理強いしたいわけでもねぇんだ。嫌なら嫌って、はっきり言ってくれていいんだぜ」
「えっと、ちょ、ちょっと待って、ランディ。それって……もしかして、こないだのツァイトに言われたこと……」
 確かに一週間前、ツァイトに『下手だ』と言われて激高していたが、未だに悩んでいたとはロイドも知らなかった。
「気にするに決まってんだろ! 男同士だから、受け入れてるお前に負担かかってるのは事実だし……お前が気持ちよくないんだったら」
「だったら? やめるのか? それとも別れるのか? そんなこと、許さないけど」
 ランディがぐっと言葉に詰まるのを見て、ロイドは大きく息を吐いた。
「あのさ……俺はランディしか知らないから、上手いとか下手とかよくわかんないけど……ランディが、俺に負担かからないように気を使ってくれてるのはわかってるよ」
 コツン、と額を合わせて微笑むと、ランディが少し拗ねたような顔に変わっていく。
「俺は俺の意志でランディに抱かれてるんだってこと、忘れないでくれよな。痛かったら俺も文句くらいつけるさ。……そりゃ、挿入してすぐとか、ガンガン攻められた後とか……腰とか尻とか痛かったりはするけど、それはほら、幸せな痛みっていうか……」
 言いながら恥ずかしくなってきて、ロイドは赤面してしまった。至近距離で見つめられることにすら耐えられなくなって身体を離そうとするのを、ランディに阻まれた。
「えと、だからその……いつも通り愛してくれればいいよって、こと、で……ああもうっ! 恥ずかしいだろ!!」
「くっ……はははっ……ったく、ノリノリで告白してたくせに急に真っ赤になってんじゃねぇっての。可愛すぎだろ……」
 体勢がくるりと反転して、ベッドが二人分の重みを受け止めてギシリと鳴る。
「ま、声とか動きとか我慢しようとしてたら余計な負担になるのは確かだしな。ここならどんだけ声出しても誰にも文句つけられねぇし……久しぶりに、思いっきりイイ声聞かせてくれよ……?」
 一気に獰猛な雄の気配をまとってのしかかってくるランディに、ロイドは少し苦笑しつつもその首に腕を回して抱き寄せた。
 ――いくらでも――
 その言葉は、お互いの口内へと溶け消えた。
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